ワールドカップトロフィーの本物はどこにあるのか現在の素材と歴代の歴史
サッカーの世界最高峰の祭典であるFIFAワールドカップ。その頂点で輝く「ワールドカップトロフィー」は、世界中のサッカーファンや選手たちにとって憧れの象徴です。しかし、私たちがテレビ画面やニュース映像で目にするトロフィーが常に本物とは限らないことや、その厳重な管理体制、さらに過去に起きた驚愕の歴史については意外と知られていません。
本記事では、ワールドカップトロフィーの本物が現在どこに保管されているのかをはじめ、素材や重さ、レプリカとの違い、そして歴代トロフィーにまつわる知られざる歴史と見分け方の真相をわかりやすく徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:現在のFIFAワールドカップトロフィーの本物は、スイス・チューリッヒにあるFIFAワールドフットボールミュージアムで厳重に保管されており、通常は持ち出しが禁止されています。
- 要点2:トロフィーの素材は18金で、総重量は6.175kg(純金部分は約5kg)。底面には歴代優勝国の名前が刻まれており、将来的にスペースがなくなる予定です。
- 要点3:歴代トロフィーとしては初代の「ジュールリメ杯」が存在しますが、過去に二度も盗難に遭い、現在の行方はカップが永遠に失われたとされています。
ワールドカップトロフィーの本物はどこにあるのか?FIFA本部の管理体制
「優勝チームが掲げているあのトロフィーは本物なのだろうか」という疑問を持つ人は少なくありません。結論から言うと、ピッチ上で選手たちが歓喜とともに掲げるトロフィーは、その瞬間こそ本物である場合もありますが、基本的には式典用の特別な本物、あるいは精巧な公式レプリカ(ゴールド・レプリカ)が使用されています。
現在のFIFAワールドカップトロフィーのオリジナル本物は、普段はスイス・チューリッヒにあるFIFAワールドフットボールミュージアムに常設されており、厳重なセキュリティのもとで一般公開されています。FIFAの厳格な規定により、このオリジナルの本物がFIFAの公式行事(トロフィーツアーや抽選会など)や特別な許可を得た場以外で競技会場の外へ持ち出されることは原則としてありません。
そのため、大会終了後に優勝国へ贈られるのは、純金製の本物ではなく、金メッキ加工が施されたブロンズ製の「勝者用レプリカトロフィー」となります。この勝者用レプリカは、優勝国が自国のサッカー協会で永久に保管することが認められています。
現在のトロフィーの素材と重さの秘密:18金と知られざる構造
現在使用されている2代目のFIFAワールドカップトロフィーは、イタリアの芸術家シルビオ・ガザニガ(Silvio Gazzaniga)氏によってデザインされ、1974年の西ドイツ大会から導入されました。2人の人物が地球を支えているダイナミックなデザインは、スポーツの歓喜と勝利の瞬間を完璧に表現しています。
このトロフィーの物理的なスペックや特徴については、以下の比較表に整理してあります。
| 項目 | 詳細 | 備考・公式データ |
|---|---|---|
| デザイン | 2人の人物が地球を支える造形 | イタリアの芸術家シルビオ・ガザニガ氏によるデザイン |
| 素材 | 18金(ソリッド・ゴールド) | 純金(75%含有) |
| 総重量 | 6.175 kg | 内部は空洞ではなく、二層構造の半貴石が使用されているという説もある |
| 高さ | 約 36.8 cm | 持ち運びやすいサイズ感ながらずっしりとした重厚感がある |
| 底面の刻印 | 歴代優勝国の国名と年号 | 底部の緑色のリング部分に英語で刻まれており、スペースの限界が議論されている |
よく「トロフィーは中が空洞なのか、それとも完全な塊なのか」という点が議論されますが、専門家の分析やFIFAの解説によると、内部は完全に詰まった無垢の金ではなく、底面には幾重にも重なるリング(マラカイトという半貴石)が組み込まれており、構造上のバランスと強度が保たれています。また、総重量6.175kgのうち、純金の価値だけでも莫大な金額に達します。
歴代トロフィー「ジュールリメ杯」の波乱の歴史とその行方
現在のトロフィーの前身である初代トロフィーは、FIFAの第3代会長ジュール・リメにちなんで「ジュールリメ杯(Jules Rimet Trophy)」と呼ばれていました。フランスの彫刻家アベル・ラフルールがデザインした黄金の女神像(ニケをモチーフにしたもの)で、当時は「カップが3回優勝した国に永久譲渡される」というルールが存在していました。
このルールに基づき、1970年大会でペレ率いるブラジル代表が通算3度目の優勝を果たしたため、ジュールリメ杯はブラジルサッカー連盟に永久譲渡されました。しかし、ここからトロフィーの数奇で悲劇的な運命が始まります。
ジュールリメ杯は、1966年のイングランド大会直前にもロンドンで一度盗難事件に遭っており、この時は「ピクルス」という名前の雑種犬が草むらで発見して一躍有名になりました。しかし、1983年にブラジルのリオデジャネイロにあるブラジルサッカー連盟の本部から再び盗み出されてしまったのです。
犯人グループはトロフィーを溶かして金塊として換金したとされており、歴史的価値を持つ初代ジュールリメ杯の本体は二度と戻ってくることはありませんでした。現在、FIFA本部には1984年にコダック社が寄贈したレプリカや、当時の保存品がわずかに残されているのみとなっています。
歴代優勝国の持ち回りルールと現代の所有権の仕組み
「歴代優勝国がトロフィーをどうやって持ち回っているのか」という点も、サッカーファンや一般の関心が高いテーマです。初代のジュールリメ杯時代は、優勝国が次回大会までの4年間、自国にトロフィーを持ち帰って保管するのが慣例でした。しかし、前述の通りブラジルで盗難に遭った事件を受け、FIFAは厳格な安全管理方針へと転換しました。
現代の制度では、本物のオリジナル・ワールドカップトロフィーが大会閉幕後に選手たちと一緒に母国へ長期滞在することはありません。ピッチで掲げられた後はすぐにFIFAの厳重な管理下に戻され、優勝国には前述の「勝者用レプリカ」が授与されます。
また、底面に刻まれる歴代優勝国の名前についても、「将来的にスペースが足りなくなるのではないか」という議論が常に存在します。現在のペースで刻印が続くと、2030年代半ば〜後半には底面の刻印スペースが一杯になると推測されており、今後のFIFAによるデザイン改修や新たな刻印方法の導入が注目されています。
本物とレプリカの違いを見分けるポイント
ワールドカップトロフィーには、本物(オリジナル)と勝者用レプリカ、そして一般に展示・販売される公式レプリカの大きく分けて3つの種類が存在します。それぞれの違いを見分けるための明確な基準は以下の通りです。
まず、素材と質感の圧倒的な違いがあります。本物は18金の輝きと特有の重量感(約6.175kg)を持ち、FIFAの限られた関係者と厳重な警備のもとでしか触れることができません。選手がピッチで掲げる勝者用レプリカも高品質なゴールドプレートで作られていますが、オリジナルとは内部の構造や厳密な微調整が異なります。
さらに、一般のファンが目にするプロモーション用のレプリカや記念品などは、素材がブロンズや真鍮、あるいは樹脂製であり、重量や色合い、底面の刻印の有無などではっきりと区別できるようになっています。FIFAは知的財産権とブランド価値を守るため、無許可の精巧な偽造品の流通に対して非常に厳しい監視を行っています。
【ワールドカップトロフィー 本物】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ワールドカップトロフィーの本物は誰でも見ることができますか?
A1:スイス・チューリッヒにあるFIFAワールドフットボールミュージアムに常設されており、一般の入場者も展示スペースから見学することが可能です。ただし、触ることは一切できません。
Q2:優勝した国は本物のトロフィーを持ち帰ることができますか?
A2:いいえ、持ち帰ることはできません。本物は大会終了後すぐにFIFAに返還され、優勝国には後日、金メッキ製の「勝者用レプリカ」が贈られます。
Q3:初代のジュールリメ杯は現在どこにありますか?
A3:1983年にブラジルで盗難に遭った際、犯人グループによって溶かされてしまったため、現存していないとされています。
まとめ:厳重に守られるサッカー界の至宝と今後の展望
ワールドカップトロフィーの本物は、単なるスポーツの優勝カップという枠を超え、世界中の人々の情熱とサッカーの歴史そのものを体現する芸術品です。スイスのFIFA本部で厳重に守られているその姿は、過去に起きた盗難や紛失という苦い歴史の教訓をしっかりと受け継いだ結果でもあります。
今後、大会の参加国が増加し歴史が積み重なるにつれて、トロフィーの刻印スペースや管理方法にはさらなるアップデートが求められるでしょう。しかし、アスリートたちがその黄金の輝きを目指してピッチを駆け抜ける情熱は、時代が変わっても決して色褪せることはありません。 (出典: ワールド カップ トロフィー 本物(Yahoo!ニュース))